強いられて、人は強くなる…のか?
「英国王のスピーチ」
Huluにて視聴
吃音症の王子と言語聴覚士の、友情と努力の片鱗を描いた映画。
全体的に静かで、物憂げな雰囲気。時代背景もあるんだろうけど、イギリス映画って暗いよね。なぜだろう?霧が多いから?
片鱗、と書いたのは、この映画が実話をもとにつくられたもので、題材が精神や神経からくる障害の克服なので、きっと映画に描かれた彼らの交流や努力の過程はほんの小さな片鱗にすぎないだろうと想像したからです。
それでも、最後の開戦のスピーチはただ聞いているだけで目頭が熱くなります。
あの瞬間は王妃に気持ちが近かったかもしれない。
ローグとふたり、必死になって言葉をつないでいく姿がただただ愛おしかったです。
彼はただ王子として産まれただけで、決して選んでそうなったわけではないし、もし違う生まれなら、こんな苦労どころか吃音症にだってならなかったかもしれない。
それでも王になることを強いられて、泣いたり怒ったりしながらも、それを受け入れて、懸命に乗り越えようと努力する。
その姿は強いし勇敢だ。それが良きことと思える感覚は大事にしたい。
軟弱なわたしは、すぐに逃げ出したくなるからね。
そしてお妃もとてもすてきなんだ。
ツンと突き放すようで、でもとても愛情深いパートナー。実際の王妃様がどんな方だったかは存じあげませんが、パートナーとしては理想的だなという印象でした。障害を受け入れて、でも克服をあきらめない。しっかりと現実を見つめながら、事態を深刻にしすぎない。すばらしい。誰にでもできることじゃない。
なんとも小気味良い女性に描かれていました。
「キングスマン」を観たあと、一緒に観た友達がコリン・ファースに激ハマりしていたのも記憶に新しいんですが、今ならその気持ちが少しわかる…
コリンの王子役が、たいへんに素敵でした♡
気品と、気難しさと、ほんのすこしの茶目っ気とが大変良いバランスで醸し出されていて、圧倒的な説得力で彼は王子様だった…
銃弾ぶっ放すギャップはこれを観たあとに体感したかったな。
あと、お妃役のヘレナ・ボナム=カーターもとてもチャーミング♡
彼女のおっきなお目々とシニカルな笑顔がだいすきです。アリス最新作も観に行きたいけどもう無理かな。